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2012年03月16日

生と死について科学する4 (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

もう一つ面白い事に気づきました。
「生」の終着点に「死」があるのではありません。
また、「生」と「死」は表裏一体をなすものでもありません。
「死」は、圧倒的に「生」に内包されているということです。
「死」は「生」の中にある!
表裏の関係ならば、「生/死」と切り離せないのは「性」ということになります。

これはこれで勉強になったのですが、あくまで科学的な生と死のお話。
遺伝子としての生と死についてです。
自己消去機能の獲得…長い目で見ればこれが種の繁栄につながった。
一見矛盾しているように思える、生命の死が生命の連続を担保する。

人間だって自分の身体の細胞は、毎日死んで生まれ変わっています。
ガン細胞だって日常的にポツポツと出来てはアポトーシスによって消去されます。
そうすることでしか生命の連続性は保てません。
しかし、それにも限度があるのでしょう。
ある程度の長さを生きれば、先に述べたようにどうしても遺伝子が傷つきます。
それはとても危険な事です。

またまた話しは簡単に横道にそれますが、(それるの得意ですから)
動物の最大寿命は子供を産めるようになる「性成熟年齢」と比例関係にあります。
ハツカ(二十日)ネズミは、(これマウスね、パソコンのマウス)
4週間足らずで子供が産めるようになり、妊娠期間は19日間。
最大寿命は3年です。(短すぎるだろ)
人間は、初潮を迎えるまでの平均が13.5年。
妊娠期間は10か月、最大寿命は120歳。
寿命が長い動物ほど性成熟年齢に達するまで時間が掛かり、
逆に性成熟年齢が早い動物は短命です。
生物の多くは、子供を産める時期を過ぎると長生きできません。
チンパンジーですら平均寿命で40歳。
昆虫やサケ等の魚類は、生殖を終えた途端に寿命が来ます。
(あーなんて残酷なんでしょうか)
そんな中、人間だけがとても長生きをするのです。

話を元に戻しましょう。
「生物は、遺伝子の乗り物に過ぎない」と表現した学者がいます。
とても利己的な存在である遺伝子をそう表現したのです。
一見「言いえて妙」、実に的確な表現のような気がしますが、
プログラムされた死の存在が明らかになると、
遺伝子は利己的な存在だけで表現できるものでもないことが分かります。
遺伝子による自らの消去機能は「自利」できなく、明らかに「利他」です。
自らを増やすばかりではなく、この「利他」の為に自らを消去することで、
精巧な身体のパーツを形作ることも、
複雑な生命活動を維持していくことも可能にするのです。

私たちは「死の遺伝子」がプログラミングされていることにより、
「必ず死ねる」のです。
間違いなく「死ぬことが出来る」有限の存在なのです。
遺伝子が基本的に利他的であるように、その固体である私たちも
有限の生を全うする間「利他に生きる」が真理でしょう。
綺麗ごとを言うようですが、それが「自利」に繋がるのです。

「自利の為に、利他に生きる!」

人間とは、そういう存在ではないかと思うのです。
生きるとは何か、生きていく意味とは…
一人の個として人類全体のためにはどうあるべきか。
自分以外の他者のため…家族、友人、次の世代のために…何を残すべきか。
皆さんは、次の世代に何を残したいですか。


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      TEL.03-3260-4761
定員   :18名(先着順)
参加費  :42,000円(1名様につき)
      (消費税および地方消費税 1,900円含む)
 ※昼食代、テキスト代含む

お問い合わせ・お申し込み先は、
綜合ユニコム株式会社ホームページより

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2012年03月16日 08:30

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