若い頃、俳優を目指していた私はかつてのテレビドラマ、
例えば、山田太一、倉本聰、向田邦子らが描く作品に夢中になった。
今思えば、それらの作品には世界観の広がりがあり文学であった。
心の琴線を揺り動かす深い部分での感動を味わえた。
その頃のドラマとの違いはなんだろうか。
時代が違うので比較するのは適当ではないだろう。
がそれでも敢えていうならば…昔のドラマは最初から面白くなくても良かったのである。
回を追うごとに、様々に張り巡らされた伏線のお蔭で、
人間関係や物語の展開に深みが増して、ラストを迎える頃にはピークになるのである。
しかし、最近のドラマは最初から面白くなくてはならない。
最初からピークを迎えて数字を取らなければならない時代なのだ。
逆に言うと、最初が面白くて人を惹きつければ自然と視聴率という数字がUPし、
最後はそんなに面白くなくともトータルでは関係ないのである。(ちょっと極論だが)
別の言い方をすれば、起承転結や起承転転結では古すぎて、序破急なのだ。
だからこそ、各局は番線と称して俳優陣が朝早くから宣伝のしまくり。
数字を上げることだけが使命のようになって久しい。
そして各局の言を借りるなら「どの番組も魅力的で素晴らしい」ということになる。
視聴者はやがて気づくだろう…そんな宣伝の言葉に何の意味もないことを。
いつ頃からか、テレビが面白くなくなりドラマは観なくなった。
私は男であり、歳のせいでもあるのだろうが、
面白くないと実感しているのは事実である。
脚本が詰まらない時代である。
発想も底を尽きたか。
いつの間にか、時代の空気がテレビ界を追い越してしまったのか。
新しいメディアの登場と共に、かつてラジオが辿った道と同じ運命が待っているのか。
テレビで育った年代の人間としては何とももどかしい。
今、テレビが売れない時代に突入したようだ。
テレビという箱の中身もつまらなくなったが、テレビ自体も危うくなる時が来る。
世の中は変わる。
常に、変わっているのだけれど、いよいよの時まで人は気づかない。
モノも人も、時代に応じて変わらねばならない。
テレビドラマはいずれ…生身の俳優の時代ではなくなるだろう。
合成されたアンドロイドのような…例えば3Dのアバターのように…
いずれそうなるに違いない。
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