そもそも「質的向上」って、理解できるようで曖昧な言葉だと思います。
「質的」を大辞林を調べると、
『質に関するさま。質の面で。対義語は、量的。』と出ます。
さらに「質」を調べると、
『そのものの良否・粗密・傾向などを決めることになる性質。』と出ます。
辞書的な意味で考えると、「施行サービスの質的向上」とは、
『施行サービスそのものの良否を決める性質の面を向上させること』
ということになります。
となると、「施行サービスそのものの良否を決める性質」とは何だ?
ということになります。これは私は「経営」そのものを指すのだと考えます。
単純に「施行サービスを向上させる」のであれば、
例えば司会者や接遇スタッフは、プロの派遣会社から外注すれば良いでしょう。
格段に施行サービスは上がります。
でも、それでは採算が合わない。社葬でもない限り、非現実的でしょう。
収支バランスも含めて「施行サービスを向上」させることが、議論の前提です。
つまり、「質的に」の部分、「施行サービスそのものの良否を決める性質」は、
少なくとも収支バランスを考える必要がありそうだということになります。
収支バランスを考えるということは、財務です。
投資から回収までのフローを想定し、最大限の効果を得ることを考えます。
最大限の効果を得るには、顧客のこと、競合のことを把握することも必要です。
また、投資はお金だけでなく、人や資材も必要です。管理も大切です。
自社全体の状況をみて、バランス良く計画を立てることになります。
つまり、「施行サービスの質的向上」を考えることは、
単に「葬儀のソフト面」や「サービス内容の向上」に焦点を当てれば良いのではなく、
経営全体を見直すということになります。
「施行サービスの質的向上」と一言で言っても、
経営全体を見直すことにつながります。
「施行サービスの質的向上」がテーマの研修をするにしても、
各葬儀社の事業段階により課題は違うでしょうし、解決策も違います。
こうすれば正解!というよう解決策を求めるのなら、
コンサルティングを頼んだ方が早そうです。
研修の場合は、様々な葬儀社の施行課題の実例を出して、
その解決策や失敗例などを挙げるセミナーがウケルのかなとも思います。
この種のテーマは、いつの時代にもあるものでしょう。
会館が『量的』に飽和状態になりつつある現状の反動として、
「施行サービスの『質的』向上」という言葉に、
ダイソン的な吸引力があるのかもしれません。
言葉は変われど、課題の本質はあまり変わらないというのが、
私の結論です。
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