最初はビジネスホテルに避難していましたが、
ホテルのトイレはすぐに「使用禁止!」の紙がはられました。
ホテルのその後のことを考えれば仕方のないことです。
避難していた私たちは、なるべく水分を控えたり、
その度に車で2分位の広域避難所に送迎してもらったり、
苦労したことを思い出します。
広域避難所のトイレは、災害用の備蓄が整っていたので、
地震後1日半位は大丈夫でした。
「トイレの水が流れること」に感動したのはあの時が初めてでした。
その後避難した山の中にある旅館は、
幸いにして山の水を引いてタンクにためるシステムで、
停電はしていましたが生活用水には困りませんでした。
東京が地震に襲われたら、まずたいがいのライフラインは止まるでしょう。
しかし誰もが「トイレ」には行きたくなります。
家庭は、水洗トイレがほとんどでしょうから「すること」は出来ますが、
流せません。しばらくはお風呂の残り湯で流します。
トイレのタンクにも結構な量の水がたまっています。
それを何かで汲み上げて流します。でもその内水は無くなります。
そこからが、大変なのです。
トイレで流す水の量は、普通でバケツ2杯分だそうです(結構な量です)。
断水後に、その内給水車はやって来るでしょう。でも1回に何リットルの
お水がもらえるのでしょう(トイレ1回分にも満たないかもしれません)。
給水車が水を運んで来ても、きれいな水ならば、
飲み水やケガの治療が優先になるでしょう。
近所の公園や公共施設の水道が出ると知ったら、
水を求める人でトンデモナイことになるのではないでしょうか?
水分を控えることで脱水症状を起こす人も出るかも知れません。
又、トイレを我慢することは命にもかかわります。
今、災害備蓄用に様々な簡易トイレが売られています。
箱型の簡単なものですが、各家庭で一つは欲しいものです。
昨今の防災訓練では、道路にある汚水のマンホールに取り付ける
簡易トイレも登場しています。
周りはインディアンの三角テントのようなもので目隠しをします。
しかしマンホールは大体が道路の真ん中にあって、
そんなところで・・・絶対にできません。
地震後、必ず大きな余震は起きますから、
道路の真ん中でそのまま飛び出すようなことに・・・なりかねません。
是非、家の中で使えるトイレを準備することをお勧めします。
杉並区役所防災課では、随分以前から区民向けに防災用品の斡旋をしていて、
特にトイレ用の商品は普通のお店では売っていないような物も、
ここで色々と買いました。
特に我が家で多めに買ってあるのは、サニタクリーンという袋です。
便座のような物さえあればその中に、
大小共用の特殊な袋を広げて使用できるという品物です。
袋には特殊なシートが敷かれていて、そこに吸収するので何回か使えます。
特殊な袋が無い場合は、普通のゴミ袋の中に紙おむつを敷いて使うことも
出来ます(45ℓ程度のゴミ袋は役立つので、結構な量を準備しました)。
臭い消しも必要です。現在は、災害用トイレ向け脱臭剤も発売されています。
我が家には、亡き父が使っていたポータブルトイレが残されています。
蓋を閉めると、まるで普通の椅子のような外見で、実はトイレです。
又、義母が使い残した大人用紙おむつ、
紙パットも処分しないでとってあります。
いざとなったらきっと役立つでしょう。
又、固形物の処分に困ったら裏庭を掘って埋めることも考えています。
「災害時、トイレは必ず使えなくなります。
とっても切実な問題です。何があっても元気に生き抜くために、
トイレ関係は、最も重要な準備のひとつです」