既にご存知でしょうが、映画の内容は、
死に直面した父親の臨終までの数ヶ月を、娘(である映画監督)が映像に収めたものです。
葬祭業界では数年前から「守秘義務」や「個人情報」などが謳われていますが、
この映画は究極の「プライバシー」の記録です。
加えて、撮影者(監督)が撮影のプロであったので、
映像の質は高く「ドキュメンタリーっぽい拙さ」は、ほとんどありませんでした。
この2点が合わさったことで、非常に稀なドキュメンタリー映画になったと思います。
役者というか、家族の方も良かったですね。
娘が普段からカメラを回しているからか、周りの家族も自然でした。
母親や長男の方にも、感情移入と言うか、同情できましたね。
ドキュメンタリーなのに、不思議なものです。
臨終に際し、「ちょっと二人にして」というお母さん。
(カメラは置き去りにされているから、そのシーンは残っているのですが)
映画としてはクライマックスでもあり、夫婦でしか話せないことだったでしょうが・・・
映画になって表に出てくることも、覚悟の上(諦め!?)だったのかもしれません。
「どういう風に死に至るのですか?」と、長男が医者に質問するシーン。
長男の不安な様子も、良く感じられます。
一方で、死後のことを律儀に考え、真面目すぎる性格。
人間らしいというか、よく人柄が出ていました。
感情がぶつかって、母と長男がタクシーで言い争うところがあるのですが、
さすがに顔にレンズを向けることはできませんが、
カメラは回し続けていたのは、職業病というべきか・・・。
記録の虫というか、もはや息をするようにカメラを回していたのでしょうね。
そういうドキュメンタリー映画でしたから、
観る方(私)も息をするように、自然に入り込めたのかもしれません。
1点、神父でもない監督が「洗礼」をするのは、
カトリックに対してやや敬意を欠くことでしたでしょうか。
ま、映画の本質では無いのですが。
纏まりのない感想ですが、総じて「良い映画だったな」と思えるのは、
監督の手腕なのでしょう。砂田監督の次回作に、期待です。
<追記>
今日は綜合ユニコム様主催の【ベーシック講座】です。
再再追加講座です!