「姿勢を正してきちんと立ちましょう。
足元手元の位置はそれでいいですか?全体を見ます。
お辞儀です。敬礼の角度に倒し、一旦止めて、ゆっくりと起き上がります。
『ご会葬の皆様方にご案内いたします。まもなく・・・』
話しながらもっと全体のお客様を見ましょう。
後ろの方まで聞こえる声を出していますか?もっとハッキリと話しましょう。
『ろれつ』の回らない意味不明な案内言葉を聞いているお客様の気持ちを
考えたことがありますか?不安になるだけではなく、確実に葬儀社のイメージ
そのものも落としているのですよ。
案内言葉を発する人にはその責任があります。
あなた一人の問題ではありません・・・。
案内言葉が終わったら、前方のお客様を見ましょう。
前の方を先導して式場内に入ります。
式場内のスタッフも同時に着席を誘導しましょう。もっと手や体を使いながら、
同時に声もかけながら前寄りの席から座っていただきましょう。
もっとお願いをするような言い方をしましょう。
その時にお客様にはアイコンタクトをとりましょう。
ご協力に対してはきちんとお礼を言いましょう。
今、なぜ、そのように動きましたか?いいタイミングでした。
すごく良かったです。どんな考えがあったのかを聞かせていただけますか?・・・」
云々。
1時間余りの葬儀シーンで、
スタッフの言動に対してこのようにご指導させていただきます。
出来ないところは止めて繰り返し練習をし、スタッフの考えを尊重し話し合い、
妥協はせずに最後まで進めて行きます。
4グループでたっぷりと4時間分、
曹洞宗の模擬葬儀を4回体験したことになります。
このスタイルの講座は毎年行っていますので、
出来ていないことを全員の前で指摘されことには皆さん慣れていて
(冷や汗はたくさんかくようですが)
一生懸命に私の要望、期待に応えるべく努力をしてくださいます。
自分の意見がある方は、それを伝えてくださるようにもなりました。
接遇に正しい答えはありません。
その状況下でどうするか・・・何通りもの方法は考えられます。
でもそれを瞬時に判断して行動するのがプロです。
その動きの意味や確固とした思いを持っていなければ、
より良い行動にはつながりません。
私はスタッフ達に、接遇行動に対する「思い」を持って欲しいのです。
その思いを確認するための研修会であると感じています。
大変お疲れ様でございました。
近年、若いやる気のある男性スタッフが増えました。
心を感じる接遇行動が出来る方も増えています。
特に初心者は、変な癖をつけない内に、
どんどん現場でいい接遇を実践して行って欲しいと願います。
最後になりました。
この渥美半島には、キャベツ畑の真ん中を走る、
「豊橋鉄道・渥美線」という電車があります。
私の大好きな単線ローカル線に乗りたくて、
帰りには始発駅の田原駅まで送っていただきました。
まっすぐに伸びる単線を眺めながら、
豊橋駅までの35分間の旅を楽しみました。