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2012年07月24日

アメリカの医療費の高さ(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

ふと、アメリカの医療費の高さが目に付きました。

【日本とアメリカの医療費比較】
 日本   盲腸8万円(7日間入院)
      出産39万円(7日間入院)
      肺炎30万円(4日間入院)
 アメリカ 盲腸243万円(1日入院)
      出産115万円(2日間入院)
      肺炎113万円(4日間入院)
(出典:『コミック 貧困大国アメリカ』2010年、PHP研究所)

若干、誇張して書かれているのでしょうが、
ネットで調べて見ても、アメリカの医療費が高いことは確かなようです。
「医療価格に対する国の介入がほとんどない」
「民間医療保険で医療費の9割が支払われる」
という状況を良いことに、医者主導で医療費高騰を招いているようです。
病院の利益率が10%を越えてはいけませんが、
最新医療機器の購入や設備投資に回して利益率が上がらないようにしているとのこと。

日本では、医療価格は国主導で決められています。
検査や医療行為の価格は細かく決めれられています。
診療行為ごとに診療報酬点数があり、医療機関はこの点数を合算して、
保険者(市町村や健康保険組合等)に医療費を請求します。
医療機関が保険者に請求する医療費の明細書のことを「レセプト」とも言いますが、
これは葬祭ディレクター技能審査の範囲でございます(余談)。

また、日本では、市区町村や公共団体主体の、国民健康保険が安定しています。
被保険者は3割負担で医療行為を受けられます。
出産においても、上記には「39万円」と書いていますが、
出産育児一時金や補助券などで助成されます。

一方で、医師の社会的地位は高い方です。
医療費を抑えているとはいえ、社会的に医者の給料が低いことはありません。
産婦人科や小児科を中心に医師不足が言われていますが、
全体的にみると、日本の医療制度は、非常に安定しているのではないでしょうか。

この安定した医療制度が、
TPPの参加によって変化を求められる恐れがある・・・ということが、
今の日本の課題の一つになっていますが、そのあたりの議論は置いておきましょう。

話が変わりますが、冒頭のグラフを見てまず思い出したのは・・・
数年前、国際的に日本の葬儀費用が高いと書いた本がありました。

葬儀費用の日本の全国平均は231万円。
アメリカでは44万4000円。
イギリスでは12万3000円。
ドイツでは19万8000円。
韓国は37万3000円。
(出典:ある本 2010年、幻冬舎)

そもそも、この葬儀費用の数値を比較して良いかという問題も大いにありますが、
各国の葬送事情も説明せずに費用のみを並べて高いというのは、
安易だなと改めて思った次第です。
なぜ日本だけこんなに葬儀費用が高いんだろうと調べて見ると、
・日本の葬儀費用には「葬儀施行費用」「飲食費用」「寺院費用(布施)」の全てが
 含まれている
・そもそも集計の仕方がまずい
ということはすぐに分かります。

あと、アメリカでは各地域で葬儀料金を管理している一方、
日本では市区町村の葬儀料金の介入はありません。自由市場です。
医療とは逆ですね。
その影響で、日本で葬儀料金が高騰したとも考えられます。
しかし、デフレ下の今、料金は下落していますけどね。
(デフレでなくても、価格競争の洗礼を浴びる時期かもしれません)

そんなことを思った次第です。
いつも通り纏まりがありませんが、こんなところで。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2012年07月24日 08:10

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