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2012年07月25日

「火」と「忌み」(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

葬儀の習俗を調べてみると、
「火」と「忌み」が関連している習わしが目に付きます。

例えば、
火合わせ・・・四十九日の忌明けのこと。忌中の火と通常の火を合わせる意。
合火・・・枕飯を作る時は、「合火を避ける」といい、同じかまどではつくらない。
     枕飯は忌がかかっているため。
切り火・・・葬式を出した後、直ちに炉の火を消し塩を撒き新しい火種を作る習わし。
      死者を出した家の火を死火として避ける意。
黒火・・・死者の家のものに忌がかかっていること。忌は火に象徴される。
死火・・・死者の出た家の日常使う火を忌み嫌う習俗。神社では別火(べっか)とも。
     死を穢れと見る死生観から、その火をも不浄とする俗信。
別火・・・死者の出た家の火を忌避する習わし。喪屋生活のなごり。
など。
「火」が「忌み」を媒介するものと考えられていたのでしょうね。

神道では神事の際、「忌火」と呼ばれる火を起こします。
伊勢神宮によると「清浄な火」のことですが、
火がそもそも持つ性質が「ケガレ」であるため「忌火」と呼ばれたそうです。
また火がケガレを伝染媒介すると考えられていた為、
火をくべる竈(かまど)を別にするなどの措置がとられていました。
伊勢神宮には、火をきり出すための「忌火屋殿」があります。

昔は、火は「忌み」の象徴の一つだったのでしょう。
火事は今より恐れられていたでしょうし、火は生活に必要な道具だけれども、
コントロールするのが難しい存在だったはずです。
そのような時代では、理解を超えて人々に不幸を起こすものの存在は、
「忌み」という言葉に置き換えられていたのでしょう。
死も同様に、「忌み」という悪しき存在に考えが置き換えられ、
今もその名残が習俗として残っているということでしょう。

死に関しても、だいぶ科学的な解明が進んでいますが、
まだ得体のしれない部分がありますからね。

尚、仏教における火は、特に密教では重要視されたようです。
そういえば奥の院の灯篭堂、昔は油を注いで火を灯していました。
(今は電球ですが・・・もしやLED!?)
「護摩」という火を焚く密教の修法もありますし、
火が信仰に関わっていることは確かなようです。
・・・また、後日詳しく調べたいと思います。

さて、もうすぐオリンピックが開幕します。
オリンピックでは「聖火」が焚かれます。
これはエネルギーや生命力の象徴です。
昔は聖火台に木を組んで燃やしていたような気もしますが、
最近はガスで燃やしていますね。そういう時代なのでしょう。
木の方が霊的なものが宿りそうで、趣は良いと思うのですけどね。
環境破壊と言われるのでしょうか・・・。

纏まりが無いですが、そんなところです。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2012年07月25日 08:12

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