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2012年08月16日

秋田 葬祭ディレクター技能審査受験対策講習会  (井手一男)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

過日、夏の盛り…東北新幹線で秋田へ向かう。
季節としては、春から夏にかけては一つ前にある秋田(但し、秋から冬は一つ先だが)。
さすがに新緑は出しゃばり過ぎたと自覚したらしく深い緑に覆われていた。
気が付けば、いつの間にか蝉の鳴き声も…

秋田駅に到着すると、比内地鶏の親子丼を食べさせてくれる店へ直行。
鶏肉の十分コリコリした食感と卵のトローリ感がマッチして、
これがなかなか美味いのだ。
手頃な値段で十分に満足できるのである。
秋田を訪れる際の楽しみの一つである。

新幹線の車中も仕事をこなすのが常であるが、それでも週刊誌ぐらいは目を通す。
興味深い記事が載っていた。
北米のイヌイット族、ニューギニアのモニ族、そして我らが日本人。
これらの民族に共通する点は?ということで記事があった。
答えは「すぐ謝る」ことらしい。
異民族の侵略を受けた経験が乏しいらしいからだそうだ。

確かに日本人は「すいません」とよくいう。
決して悪くなくても「すいません」。
相手のせいでも「こちらこそ、すいませんでした」。
このような日本人の態度を優柔不断、
あるいは「はっきりNOと言えない」と批判する向きもある。
確かにそうだが、「すみません」には深い意味があり、日本的な文化を反映している。
一言、「すみません」と頭を下げることで、穏やかな雰囲気を作り出し、
「お互い様」という気持ちになって問題解決の落としどころを探っているのだ。

つまり、欧米人のように「悪いのはどちらか」を争う姿勢はそこにはないのである。
日本人の「優柔不断」は、よくいえば相手を傷つけまいとする思いやりであるのだ。
正義は、常に一つである…という画一的な決め方を虚しく思う感覚がある。
欧米の良さも十分取り入れたいが、日本式のコミュニケーションも奥が深い。
新幹線の中で、車窓の移り変わりを楽しみながら、
あれやこれやと思いを巡らすのも悪くない。

秋田の講習会はホテルで執り行われた。
記憶によると…というのも今はすでに一か月が過ぎている…
秋田県は、20名程度の参加者で女性のチャレンジも多い。。
毎年成績は優秀であり、現在のところ有資格者は100名を楽に超えている。
また講習会での参加者の服装に乱れがないのも特徴の一つ。
どんなに暑くても、男性はネクタイをして上着をきちんと着用している。
極端なことを言うと、女性なんか…髪の毛をキチンとやり過ぎているのではないか、
朝から色気が付き過ぎではないか、と思うぐらいの感じだ。
県内を挙げて、「講習会に参加するとはどういうことか」の意思統一がなされている。
この姿勢は見習いたい。

この県が、成績が良いのもネット参加者の多さと無関係ではないだろう。
期間限定(葬祭ディレクター試験日までの)ユーザの多さにも驚きを隠せない。
要するに、勉強をたくさんした者は合格率が良いという当たり前のことだが、
その当たり前のことが、何故だか分からない人が多いのだ。
近年の学科試験の難易度は半端ではない。
例えば、紫斑は遺体の背中側の静脈に出るのだが、それを動脈としただけで×である。
或いは、一般に喉仏と言われるが、実は喉仏は甲状腺軟骨だから燃えてなくなるのだ。
そこで実際には、第二頸椎を喉仏として代用しているのだが、
それを第三頸椎としただけで×である。
勉強して理解はしていても、うっかり者もしっかり落とす仕組みなのだ。
面倒くさい試験になったな…というのが感想である。
私は17年前に一級を取得しているが、当時一緒に合格した者で、
今の試験を受けて合格する者が果たして「一割でも」いるだろうか?

単に、通夜や葬儀の担当者というよりも、デスケアという大きな観点から人の死を見る。
現在の「求められる葬儀スタッフ像」というものが、大きく変わっているのが原因。
そもそもレベルが違い過ぎるのである。
頑張れ、受験者諸君 !

次回は岩手県、この写真は秋田駅から。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2012年08月16日 08:30

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