秋田駅に到着すると、比内地鶏の親子丼を食べさせてくれる店へ直行。
鶏肉の十分コリコリした食感と卵のトローリ感がマッチして、
これがなかなか美味いのだ。
手頃な値段で十分に満足できるのである。
秋田を訪れる際の楽しみの一つである。
新幹線の車中も仕事をこなすのが常であるが、それでも週刊誌ぐらいは目を通す。
興味深い記事が載っていた。
北米のイヌイット族、ニューギニアのモニ族、そして我らが日本人。
これらの民族に共通する点は?ということで記事があった。
答えは「すぐ謝る」ことらしい。
異民族の侵略を受けた経験が乏しいらしいからだそうだ。
確かに日本人は「すいません」とよくいう。
決して悪くなくても「すいません」。
相手のせいでも「こちらこそ、すいませんでした」。
このような日本人の態度を優柔不断、
あるいは「はっきりNOと言えない」と批判する向きもある。
確かにそうだが、「すみません」には深い意味があり、日本的な文化を反映している。
一言、「すみません」と頭を下げることで、穏やかな雰囲気を作り出し、
「お互い様」という気持ちになって問題解決の落としどころを探っているのだ。
つまり、欧米人のように「悪いのはどちらか」を争う姿勢はそこにはないのである。
日本人の「優柔不断」は、よくいえば相手を傷つけまいとする思いやりであるのだ。
正義は、常に一つである…という画一的な決め方を虚しく思う感覚がある。
欧米の良さも十分取り入れたいが、日本式のコミュニケーションも奥が深い。
新幹線の中で、車窓の移り変わりを楽しみながら、
あれやこれやと思いを巡らすのも悪くない。
秋田の講習会はホテルで執り行われた。
記憶によると…というのも今はすでに一か月が過ぎている…
秋田県は、20名程度の参加者で女性のチャレンジも多い。。
毎年成績は優秀であり、現在のところ有資格者は100名を楽に超えている。
また講習会での参加者の服装に乱れがないのも特徴の一つ。
どんなに暑くても、男性はネクタイをして上着をきちんと着用している。
極端なことを言うと、女性なんか…髪の毛をキチンとやり過ぎているのではないか、
朝から色気が付き過ぎではないか、と思うぐらいの感じだ。
県内を挙げて、「講習会に参加するとはどういうことか」の意思統一がなされている。
この姿勢は見習いたい。
この県が、成績が良いのもネット参加者の多さと無関係ではないだろう。
期間限定(葬祭ディレクター試験日までの)ユーザの多さにも驚きを隠せない。
要するに、勉強をたくさんした者は合格率が良いという当たり前のことだが、
その当たり前のことが、何故だか分からない人が多いのだ。
近年の学科試験の難易度は半端ではない。
例えば、紫斑は遺体の背中側の静脈に出るのだが、それを動脈としただけで×である。
或いは、一般に喉仏と言われるが、実は喉仏は甲状腺軟骨だから燃えてなくなるのだ。
そこで実際には、第二頸椎を喉仏として代用しているのだが、
それを第三頸椎としただけで×である。
勉強して理解はしていても、うっかり者もしっかり落とす仕組みなのだ。
面倒くさい試験になったな…というのが感想である。
私は17年前に一級を取得しているが、当時一緒に合格した者で、
今の試験を受けて合格する者が果たして「一割でも」いるだろうか?
単に、通夜や葬儀の担当者というよりも、デスケアという大きな観点から人の死を見る。
現在の「求められる葬儀スタッフ像」というものが、大きく変わっているのが原因。
そもそもレベルが違い過ぎるのである。
頑張れ、受験者諸君 !
次回は岩手県、この写真は秋田駅から。