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2013年01月28日

脱「家族葬498,000円」(工場長こと古家寛)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

サービスを標準化し、「家族葬498,000円」などと銘打って、
全国の提携葬儀社に送客するビジネスを、インターネット上で良く見ます。
(どことは言いません、いくつかありますので)
葬儀が閉鎖的で価格やサービスが不透明だった時代から、
情報を出していくオープンな方向へと意識改革の一端は担ってくれたとは思います。
しかし「終活」というキーワードが流行語になり、一般人が葬儀の情報を求める時代、
既に時代遅れだな、という感覚を私は持っています。

もちろん、まだまだ良い面もあるでしょう。
「家族葬498,000円」とサービスの標準化をしてくる会社は、
「どういった葬儀にニーズがあるのか」ということに敏感です。
良くも悪くも、葬儀を「サービス業」として捕えていますから、
「顧客が求めていること」に対する調査に余念はないでしょう。
そういうマーケティングが苦手な方は、
「家族葬498,000円」の送客をありがたく感じるかもしれません。

一つ疑問に思うとしたら、こういう送客会社は、
自社で葬儀施行をしていないのに「全国対応」と謳っている感性です。
自社で会館を持つ訳ではなく、FC展開をする訳でもなく、
単に地域の葬儀社に送客しているだけ・・・とは書きませんが、
今の時代、間を取るだけの価値があるのかな・・・とは思います。
「ご相談いただいた葬儀案件は、お近くの葬儀社に振ります」ということなのに、
「だから、あなたが直接その葬儀社に依頼した方が安く済みますよ」とは言わない。
「葬儀は不安でしょう?うちにご相談いただいたからには、価格とサービスは
うちで保証します」という安心感を、売り物にしているだけ・・・とは言いませんが、
そういうことは時代遅れのビジネスにしなければならないと思う訳です。

特に葬儀は、全国で習俗や慣習、また寺院のお付き合いなど、
地域性が強い仕事です。「全国対応」なんて書いて、
どれほど気の利いた送客ができるものなのでしょうか。
都市部に本部がある送客会社の胴元は、
地域事情なんか屁とも思っていない・・・とは断言しませんが、
地元の葬儀社に比べて理解が深い訳はない。
未来を考えると、消費者にとっても、地域に根付いた葬儀社を「育てていく」方が、
葬儀が良い方向に向かうと考えられないでしょうか。
そのためには、各地域の葬儀社がよりオープンな体質になり、
地元への理解を広げる必要があると考えます。

かつて葬儀サービスや料金を閉鎖的に隠してきた葬儀社は、
猛省が必要でしょう。裏を返せば業界全体の体質だった、ということでもあります。
今も、返礼品や料理など、不要にマージンを取っていませんか?
マージンをのせることが悪いとは言いません。
のせる以上は、それに見合った価値を提供できていますか?
お客様に不満を持たれたら、いずれそこから崩されるのが世の常です。

送客会社に関しては業界再編に派生する話も聞きます。
時間は待ってくれません。
今、改めて考え直す時期が来ていると感じています。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2013年01月28日 08:22

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