社団法人生命保険協会の統計によると、
2011年度の生命保険の収入保険料は、およそ36兆円です。
また、2011年度の生命保険の資産運用の総資産はおよそ327兆円で、
年間の資産運用益はおよそ8兆円です。
収入保険料は、将来の保険準備金という負債とバランスをとるものでしょうから、
生命保険の収益のほとんどは、資産運用に依るものと考えられます。
資産運用で年間に8兆円も利益を上げているのですから、凄いですね。
インフレリスクに対するヘッジも、この資産運用能力が生命保険会社にあるから、
可能なことだと考えられるのです。
さて、生命保険の現物給付の葬儀社への影響の話に戻すと、
諸々ありそうだと考えられることの一つには、
葬儀社が生命保険の代理店業務をすることです。
少額短期保険では葬儀社が代理店になるモデルが既に始まっています。
生命保険の現物給付が行われるようになれば、
似たようなことが起こることは想像に難くありません。
それこそ葬儀に関しては、保険会社より葬儀社の方が詳しく説明できます。
葬儀の説明に加え、保険のメリットも上手に説明できれば、
代理店業務としての業務を全うできるようになるでしょう。
生命保険会社としても保険料収入は資産運用の原資です。
その裾野を広げるためにも、葬儀社と提携を図ることは自然です。
葬儀社も、保険加入者の送客基となる生命保険会社と、
良好な関係を築いておくことは悪い事ではありません。
・・・葬儀社と生命保険会社が組むことを考えると、
互助会と似たようなシステムになるとも思えます。
ただ、保険機能と葬儀機能が独立する分、より健全な形になりそうです。
万が一引越しをしても、生命保険を解約する必要はないでしょうからね。
逆に考えると、今回の規制緩和に対して、
最も危機感をいだいているのは互助会とも言えます。
ゆえに、生命保険との関係作りにも先手を打っていることでしょう。
生命保険の提携が最も強いのは互助会・・・という未来になっている可能性は高そうです。
少額短期保険のとき、最も真剣に考えていたのは互助会だったと思います。
今回の生命保険の現物給付は、少額短期保険よりも大きな波になりえます。
早めにアンテナを張っておくに、越したことはありません。