「デザイン」を広辞苑で調べると、「意匠計画」とあります。
設計(意匠)のみにとどまらず、人間の行為をより良いかたちで適えるための
計画もデザインに含むと理解しています(都市計画など)。
そういう意味で「デザイン」は広義ある言葉ですし、
葬儀内容や進行を考えるにあたって、
「葬儀をデザインする」と言い換えることもできるでしょう。
つまり、葬儀に関わる数日間を遺族にどう過ごして欲しいかと考えることは、
葬儀をデザインしていると言えます。
少し話が逸れますが、原研哉 氏という、
「家」に関して興味深くデザインを考えているデザイナーがいます。
様々な観点で日本の住宅を見ているのですが、
特に「床」に関する考察は興味深いものがありました。
(以下引用)
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玄関で靴を脱ぐ習慣はここでは大きな利点となる。脈拍・血圧・体温・体重など身体は情報の塊である。ベッドやカーペットが足の裏や身体を通してこれを感知し、自動的に病院に送信し、管理する仕組みなど決して荒唐無稽な話ではない。そこにはインテリジェント化した「床」が身体と対話する「進化した家」のかたちが見えてくる。
----(引用元:日本の家を輸出する)
そうか、床がインテリジェント化すれば、
孤独死で長時間経って発見されるようなことは減るのかもしれない。
また、住人の死を感知した瞬間に、プログラムによって床が急速に冷え、
低温維持してくれると遺体が損なわれることも軽減される。
そんな未来が、床のデザインによって訪れるかもしれない・・・
などと余計な妄想が広がるのです。
葬儀も、デザインという観点から、
弔いや偲びの在り方に変化が起きるかもしれません。
そもそもデザインというものは、
「人間の行為をより良いかたちで適える」ことの呼水なので、
葬儀業界でももっと意識されていて良い分野と思います。
そんなことを連載を読みながら感じました。
ちなみに、大学の友人であるデザイナーが、
「BR&」というデザイナーサイトの立ち上げに参画しています。
もし、興味があれば。