さて、“事件”は映画を見終わった後に起こりました。
何やら出口付近で親子連れと館内スタッフが揉めている。
パンフレットを買うふりをして話を聞いていると、
どうやらこういう事の流れです。
親子で映画を観ていたところ、子供が映画館に携帯電話を落とした。
子供は館内を出て暫くして、携帯を忘れたことを親に告げる。
映画館に戻り、親が座席に携帯が落ちてないか確認して欲しいと
入場口のスタッフにお願い。しかし、そのスタッフは、
規則により映画上映中は入場して確認できない旨を告げる。
なので、映画が終わるまで待って欲しいと(終わるまでは60分程度ある)。
60分も待っていられないと、親は受付スタッフに向かい、
子供が座っていた座席に今誰か座っていないかを確認する。
親がチケットを買って再入場しようとするも、それを制止するスタッフ。
一悶着あった末に親が怒り、最終的に別の館内スタッフが出てきて平謝り。
最初に対応したスタッフは何故か逆ギレしている・・・といった顛末でした。
(尚、別の館内スタッフが確認したところ座席付近に携帯はあったようです)
最初に対応したスタッフは、真面目で不器用なバイトなのだろうと思います。
お客様が大切と頭で考えていても、それは会社のルールが優先しての話で、
会社のルールを越えてしまうと、「難しいです」「無理です」と言ってしまう。
本当にそれは無理なのか?と自問せず、「規則ですから」と言ってしまう。
マニュアル通りなのでしょうけども、それだけだとお客様を怒らせるよね・・・
というケーススタディでしょうか。
スタッフも気が利かない対応でしたが、
どう対応すべきか教育していない会社にも問題があるでしょう。
業務マニュアルを覚えさせるまでは良かったのでしょうが、
想定外のことが起きた時の対応が身に沁みていないようでした。
行動指針の基本となる「社是」や「ポリシー」は運営会社にあるのでしょうが、
お客様に接する末端のスタッフにまで、深く浸透していない。
サービス業で顧客満足を貫くのなら、
経営者は特にお客様に接する従業員に対して細心の注意を払う必要があります。
顧客満足という点では、「シチューレオナルド」のポリシーが簡潔で有名です。
ルール1 お客様は常に正しい
ルール2 もしお客様が間違っていると感じたら、ルール1を読み直せ
常にお客様の立場に立って考えろ、ということです。
今回のケースも、規則より顧客の立場に立って対応できていれば、
問題は大きくなっていなかったでしょう。
一方で、ルールを越えた顧客対応をスタッフ個人の裁量に任せるのは勇気がいること
でしょうし、サービス業の難しさはそのあたりにもあるのでしょう。
人の振り見て我が振り直せですが、
映画の内容とは全く関係ない話でした。