厳しい見方をすると、返礼品や飲食の売上低下は、
世間からそのサービスが見放された結果とも捉えられます。
海苔いらないね・・・タオルいらないね・・・冷えた揚げ物いらないね・・・etc.
会葬者に対して義理を果たせるような返礼品や料理のラインナップは、
葬儀社から提供されるカタログに無いよね・・・と。
祭壇は、故人の個性や遺族の要望が叶えられるようになってきました。
一方、返礼品や飲食は、個々の要望を受け入れる体制がまだ少ない。
資金も必要になるでしょうし、結果として会社の都合が優先される所が多いでしょう。
しかし、この辺りの意識を変えていく必要があると考えます。
「こちらのカタログから選んでもらえますか?」
と渡したカタログに、遺族が望む返礼品や料理が無かったらどうでしょう。
普通の遺族なら『一般的なものでいいよね』『そんなものだよね』と思って、
葬儀社の都合によるラインナップから選ぶのでしょう。
でも、次第に『こんな料理じゃ出す意味ないよね・・・』や、
『こんな返礼品じゃ却って不義理よね・・・』といった本質的な不満が溜まる。
そういった状況が続いた結果、返礼品や料理が見放される流れになったのでしょう。
繰り返しになりますが、消費者の目線で考えると「カタログは葬儀社側の都合」です。
カタログがあるから助かる遺族もいるでしょうが、
サービス業の姿勢としては、最初にカタログありきではなく、
「ご希望・ご要望がありましたら何でもおっしゃってください」でしょう。
寧ろ葬儀を(究極のサービス業)などと言うのなら、打ち合わせ等を通して色々と察し、
「○○はいかがですか?」と適切な提案・アドバイスができて然るべきです。
(・・・ま、現実的に不可能ですね)
例え会社のカタログを渡すことになったとしても、「カタログに載って無いモノでも、
ご希望がありましたらおっしゃってください」と付け足してもらいたいものです。
もちろん、カタログに載っていないモノが要望されたとしても、
それが叶うよう全力を尽くす姿勢が本質的な「サービス」になります。
今はまだ、返礼品や飲食の慣習は無くなった訳ではありません。
これが「0」になると復活させるのは大変です。
今のうちに返礼品や飲食の売上をV字回復しておきたいものです。
地縁や地域コミュニティを活性させる活動も重要でしょうが、
そもそも返礼品や料理が満足いく内容でないと、その成果も虚しいでしょう。
また、返礼品や料理の「サービス」の充実を図る余地は、まだあると考えています。
少し話が逸れますが、
今年6月17日(月)・18日(火)に開催されるフューネラルビジネスフェア2013には、
毎年多くの返礼品業者が出展されています。今年もきっとそうなるでしょう。
注意深く出展内容を見て回ると、その年のニーズが反映されていることが分かります。
昨年は、お茶が減ってコーヒーの商品が多かった。
出展者の方も言っていましたが、原発事故の影響がまだ残っているのでしょう。
個々のニーズを叶えるために、大きなトレンドを掴んでいることも重要と考えます。