ほっこりとした、ひなびた温泉に行きたくて選んだのが、
花巻温泉郷「大沢温泉」です。宮沢賢治ゆかりの温泉でもあり、
賢治は幼い頃から父親に連れられて来ていたそうです。
「大沢温泉」には6つの個性的な温泉があります。
「湯めぐり」という言葉がぴったりで、私は2日間で7回、温泉に入りました。
建物の中には「自炊部」という湯治専用の建物があり、
そこでは何日も自炊をしながらお風呂を楽しむことが出来ます。
私たちはその中の「菊水館」という木造の宿に泊まりました。
木枠のガラス窓で、映画に出て来るような二間続きの部屋は、
昭和の香りがプンプンしました。
豊沢川沿いにあるお風呂は混浴です。
昼間は私たちの部屋からもよく見える露天風呂で、
男性が入っていると目のやり場に困りました。
夜の1時間だけ女性専用になったので、もちろん入りました。
老いも若きも大勢の女性客が入っていました。
川のせせらぎを聞きながら本当に気持ち良かったです。
熱めのお湯ですがすぐに慣れて、いつまでも入っていられました。
私はすごく気に入りました。
大沢温泉では、
いつもの出張のホテルでは味わえないような風情をたっぷりと堪能しました。
次は絶対に、数日間の湯治に行きたいと思っています!
翌日は、花巻駅から仙台に向かいました。
昔からやってみたかった「青春18きっぷ」のような各駅停車の旅です。
1時間ずつ3つの普通電車に乗りました。
景色はこれといって眺めの良いものは何もない区間でしたが、
夫とは途切れることなく何気ないおしゃべりをしていました。
考えてみればこれまでの25年間、ずっとこんな感じでした。
これからの人生も各駅停車でいいから、
このまま穏やかな生活が続けば・・と思いました。
つづく