この日の観光客は、修学旅行生と外人さんくらいで、中はガラガラでした。
京都巡りは平日が一番です。東寺もそうでしたが、安置されているのは、
出来れば時間が許す限りそこに座り込んで、同じ空気の中に浸っていたい
と思わせる仏像ばかりです。
三十三間堂
三十三間堂内部は、昔見た記憶と想像をふくらませていましたが、
お堂に入った途端ため息が漏れました。
端から端まで120メートルのお堂の長さはもちろんのこと、
国宝である中央の巨像(中尊)を中心に左右に500体ずつの等身立像(観音像)の
迫力はすごかったです。全部で1001体です。
特に中尊は、その前からなかなか離れることが出来ないほどの迫力で、
本当に座り込んでたっぷりと堪能させていただきました。
その後今回の旅で一番の楽しみだった「六波羅蜜寺」に向かいました。
六波羅蜜寺
空也
醍醐天皇第二皇子光勝空也上人によって開創された西国第十七番の札所です。
目的はもちろん「空也上人立像」とのご対面です。
鎌倉時代に運慶の四男康勝によって作られた重要文化財です。
「念仏の祖」でもある空也上人が念仏を称える口から、
六体の阿弥陀があらわれたという伝承のまま作られた彫刻です。
学生の頃の教科書で初めて見たときにも感動しました。
本物は、それはそれは素晴らしく、宝物館には私の他に誰もいなかったこともあり、
およそ30分、空也上人の前に座り込んで向き合っていました。
上人は生涯「南無阿弥陀仏」を称え続けました。
ふと、「私は何を称える(語る)ために生まれて来たのだろうか・・・」と思いました。
御先祖様に恥ずかしくないような「言の葉」を語り続けたいと思いました。
完