しかし、第1回目だけの参加だと、巧くはなるが安定せず、
確かな線まで行かない人が多い。
第2回目だけの参加となると更に酷く、そもそも私の云うことが理解できない。
1回目から参加されている他の皆さんは理解しているのに、
本人だけが理解できないままなのだ…たまたまお隣に座った人が、
一生懸命教えたりしているが…やはり、ちと難しいようである。
第1回目は、圧倒的に経験の少ない人が、極端に云うと経験ゼロの人が上達する。
それを目の当たりに見て、先輩は焦るのだ。
「事前にやれと云われた基礎訓練、やっとけば良かったかなあ…」と内心思ってみたり、
あるいは、長年、素人なりにやってきた今までの司会の欠点を知り、戸惑っていたり…
だが、新人が上達するにはそれなりに訳がある。
「基礎訓練の予習…云々」という、そんな単純な話ではないのだ。
中途半端な経験の司会者ほど、タチの悪いことはない。
声に、感情の載せ方も知らなくて、ただ喋っているだけ。
だから、それを治そうとしても、澱のように凝り固まって、それが治らない。
自分の声すらコントロールできなくて、何が司会だ!
そもそもの考え方が間違っている、というか、考え方も持ち合わせていない。
これが、新人にはないのだ。
いつのまにか沁み付いた、汚れきった川底に積み重なった「澱(おり)」
のようなものがないから、上達が早い。
特にベテランと呼ばれる人は、司会の「基礎・理論編」に基づいて、
約束事をしっかり守りましょう。
ということで、また来年…応用編でお会いしましょう。