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2014年10月07日

善通寺へ ③(加藤直美)

カテゴリー : MCエッセイ 七転八起

善通寺は、弘法大師の生誕の地と言われている真言宗善通寺派の総本山です。
宿坊に泊まった翌朝は、5時半から御影堂で行われる朝の勤行にお参りしました。

 

5時半定刻に僧侶の方々十数人が、袈裟をまとい入堂した時は、
身の引き締まるようなピーンとした空気を感じました。
密教独特の雰囲気の中で様々なお勤めがあり、
最後には般若心経を一緒にお唱えして40分ほどの朝の勤行が終了しました。

 

善通寺は、誕生院の「西院」と伽藍の「東院」に分かれていて、金堂、五重塔をはじめ
お遍路の方々が寄る納経所など、多くの由緒ある建物から成ります。

遍照閣という建物の中には「お砂踏み道場」があり、
八十八ケ所霊場のご本尊が祀ってあり、八十八個のミニ霊場祭壇の前で
「南無大師遍照金剛」とお唱えしながら
足元の「霊場の砂」を踏むことで同じご利益があるとのことでした。
もちろん私も、お砂を踏みながらお唱えをしました。

私は「お砂踏み道場」だけでは物足りなくなり「七ケ所まいり」をすることにしました。
「四国八十八番寺社名勝」という絵図に
「足よはき人は、此印七り七ケ所をめぐれば四国巡拝にじゅんずといふ」
という言葉が書いてあるそうで、善通寺市近郊の七ケ寺を巡拝して
ご本尊を授けていただくお参りの仕方です。
私は半日しか時間が無かったので、タクシーの貸し切りをお願いしました。

まずは朝、宿坊に泊まった第七十五番「善通寺」で、
弘法大師と薬師如来の御影を授けてもらい、
次に、第七十四番「甲山寺」薬師如来、第七十三番「出釈迦寺」釈迦如来、
第七十二番「曼荼羅寺」大日如来、第七十一番「弥谷寺」千手観世音菩薩、
第七十七番「道隆寺」薬師如来、第七十六番「金倉寺」薬師如来と、
3時間余りで七ケ所をお参りしました。

 

それぞれのお寺に到着すると、まずは本堂、
次に大師堂にお参りしてから納経所に向かい、ご本尊を授けていただく流れです。
各地から来ているお遍路さんはここでご朱印をいただきます。
私以外のほとんどの人が、菅笠、白装束に数珠を持ち、金剛杖を片手に歩いています。
(棺に納められる時の旅支度と同じスタイルです)
私だけ普段着で、その方が恥ずかしい感じです…

 

最後に特製の色紙を求めて大切に持ち帰り、
帰京してから1枚ずつ丁寧に、ご本尊を貼りました。
同行二人(どうぎょうににん)とは、お大師様と二人連れという意味です。
遍路の険しい道々でも、いつも一人では無いという心強い言葉です。
浄土真宗で言えば、「阿弥陀様と二人連れ」という意味になります。
宗旨宗派は違っても、仏教の教えは変わらないということです。

お遍路は生きることと通じるているなあ…と思います。

投稿者 葬儀司会、葬儀接遇のMCプロデュース : 2014年10月07日 08:30

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