菊は、日本を代表するような花と云われますが、
意外な事に万葉集には全く登場しないのです。
どうして日本人が菊を愛でるようになったのでしょうか。
それは菊の歴史を考えると理解できます。
奈良時代、中国の影響を受けて菊が持つ薬剤効果…不老不死・延命長寿・邪気祓い、
また菊酒を呑んだり、菊を食したりました。
私が育った九州では、あまり菊は食べなかったと思いますが
今でも全国で食されています。天ぷら、酢の物、もってのほか←料理の名前。
このように貴重な花だからこそ、そもそも仏花として使われたと云われております。
江戸時代には、庶民に依る品種開発競争が起こり、菊人形や菊細工が作られました。
(実は江戸時代というのは、庶民は意外と豊かだったのですよ)
日本生まれの園芸品種の菊はヨーロッパに飛び火、更に手が加えられ、
折からのジャポニズムブームが後押しをしたようです。
私が3年前に訪れたイギリスやフランスでも墓地ではよく菊を見かけました。
そして明治時代のスタートに当たり、菊の花が皇室の紋章と定められ、
国粋主義や軍国主義に乱用されましたが、終戦後は平和な庶民生活の象徴として、
地位を回復し現在に至っています。
このような菊の歴史と共に日本人の象徴的な花となった菊ですが、
ここで浄土真宗的な理由も云っておきましょう。
なぜ仏壇には菊の花が使われるのか?
それは、「菊」は「聞く」に通ずるのです。
要するに「聞法(もんぼう)」なんです。
聞法は、浄土真宗の大事ですから。
若干、眉唾ですかね。
では、真宗クイズ
(クイズ浄土真宗より)
質問1
仏壇の前で必ず鳴らす「お鈴」、あれは何のためでしょうか?
1. ご先祖に自分が来たことを知らせる
2. 勤行する時に鳴らす仏具である
3. 悪霊を祓い、その場を清めるため
答え
…
…
…
2番です。
1番と考える方が多いのではないでしょうか。
心配しなくても先祖の方はいつもあなたを見ています。
3番ですが、民族宗教的に云えば鈴には霊力があり悪霊退散の効果は期待できる、
でしょうが、仏壇の前で、阿弥陀様の前でその必要はありません。
質問2
お寺の本堂にある内陣は、何を意味していますか?
(本堂は比叡山にある根本中堂に由来する言葉です)
1. 死後の世界(あの世の様子)
2. 阿弥陀仏の浄土
3. 古人が思い描いた理想郷
答え
…
…
…
2番です。
浄土の様子を表しているのですが、お寺の内陣がもっと華やかだったらねえ。
と思うのは、私だけ?
浄土が暗い雰囲気では、誰も憧れませんから。
質問3
中陰法要の際、僧侶は何処でお勤めをするでしょうか?
(火葬後、自宅に戻られた遺骨を中陰壇に置きます)
1. 中陰壇の前で、亡き故人に向かって
2. 中陰壇の前で、位牌や遺影に向かって
3. 仏壇の前で、本尊に向かって
答え
…
…
…
3番です。
一般に、そのようにされていないお寺も多いのではないでしょうか?
亡くなって、まだ日数の経過していないから、故人を偲ぶよすがである
遺影や位牌を無視しにくい、というのは云うのは分かりますが(位牌はない)、
だからこそ信徒の方には教えを伝える絶好の機会だと思われませんか。
難しい問題です。
では。