私が中学の時を最後に、ずっと離れ離れでいたし
兄はろくに実家に顔も出さなかったので、
年相応の顔になっていて笑ってしまった。お互いに。
しかし中身はまるで変わっていなかった。お互いに。
15年以上ぶりの兄妹喧嘩は実にくだらなかった。
おおざっぱな兄に「もう少しきれいにやったら？」と
軽い気持ちで言った一言で、どちらがおおざっぱかと口論に至り、
昔と変わらず私が負け、几帳面だと思っていた自分が、
いかにおおざっぱであったことを思い知らされた。
完敗だった。
日が経つにつれ、ちょっと気持ちが悪い事に気が付く。
食の好みが異様に似ている。
ちょっとした事でもすごく理解できたりする。
さすが兄妹？
掃除、洗濯、食器洗いも自分でやる兄は
おひとり様の長さを物語っている。
子供と絡んだことのない兄は
愛息子に対して何故かスパルタ教育。
すっかり愛息子も震えあがっている。
しかし見ている分には面白い。
好きでもなければ嫌いでもない。
気を使わない。意識しない。お互い自由。
空気のような存在ってこういうことかな…
とすら感じる今日この頃。
でも私も同じくおひとり様が長いものだから
風邪をひいた時に、何も言わず兄は買い物に出かけ
水と一緒に薬を出してくれた時には感動した。
兄妹って、実は親子よりすごいかもしれない。
私の母よりも、愛息子よりも、
自分と中身が似ている人間が意外なところに居た。
共同生活がいつまで続くのか分からないけれど、
まだまだ気持ち悪い発見が出来そうです。
